
多種多様なサメの歯について解説 〜前編〜サメの歯の種類のまとめ7つ
こんにちは。
小さい頃、歯磨きが嫌いだったにも関わらず、一度も虫歯になったことがないひとみんです。
歯が丈夫かどうかって遺伝するらしいですよ。
でも、サメの方がわたしより遥かに歯が丈夫です(当たり前)
しかも何度でも生え変わる…!羨ましいですね。
本日は、お題のリクエストで頂いていた「歯の種類を取り上げてほしい」という声に答え、サメの歯の特集を組んでみます!
ちなみにかなり奥が深い話題なので、3回ほどに分けてお伝えしていきます。
本日1回目は、歯の形の種類です。それではいきましょう!
多種多様な歯の形
サメの歯といえば何を思い浮かべますか?
『JAWS』のホホジロザメのような、ズラッと並んだ鋭い三角形の歯?
それともジンベエザメのような無害そうな歯?
同じサメでも全然歯の形が違いますよね。
ジンベエザメに至っては「歯があるのか?」と首をかしげてしまいますよね。
そう、サメによって食べる方法や獲物が違うだけで歯の形が異なってくるのです。
1. ギザギザの三角形の歯
メジロザメやホホジロザメ、イタチザメに代表される歯の形です。
(出典:Online Tribal Accessory Shop)
こちらはホホジロザメの歯です。
三角形で縁にギザギザの鋸歯(きんし)があるのが分かりますか?
この歯で魚やタコやイカを捕まえ、大きな獲物は肉を切り裂き食いちぎるためにこのような歯の形になっています。オオメジロザメやイタチザメの歯も構造は同じで、歯の縁にギザギザがついているのが特徴的です。
オオメジロザメの上顎の歯は、形がホホジロザメの歯に似ていますが大体2分の1ほどの大きさで、三角形が緩やかなカーブを描いています。下顎の歯は上顎の歯よりもずっとカーブがきつく細身です。
イタチザメに至っては、硬いウミガメの甲羅も噛み砕いてしまうくらい特徴のあるハートの形をしています。
(オオメジロザメの上顎の歯、出典:Online Tribal Accessory Shop)
(イタチザメの歯、出典:Online Tribal Accessory Shop)
似たような形でも大きさだったりは種類によって異なりますね。
他にもヨゴレなど、同じ歯の構造をしています。
2. 狙った獲物は串刺し!?尖った歯
アオザメやシロワニに代表される歯の形です。
(出典:Online Tribal Accessory Shop)
長く尖った歯で獲物を串刺しにし、丸呑みできるように滑らかな曲線を描く美しい歯ですね。
アオザメは泳ぎが世界最速のサメということもあり、素早い魚を突き刺して離さないようにこのような形になったのでしょう。
シロワニも同じ歯の構造をしています。
顔が恐ろしいのに、性格が穏やかなシロワニの歯はホホジロザメのような凶悪な歯ではないんですよね。
噛み砕くよりも飲み込むために特化した歯です。
3. 無害な小さなトゲトゲの歯
トラフザメに代表される歯です。
(出典:海洋工房)
トラフザメはとても大人しく人にも慣れやすいためダイバーに好かれるサメです。
見た目もぷくっとしていて愛らしいのが特徴です。
小さなトゲトゲした歯で主にエビやカニ、たまにウミヘビも食べるそうです。
大人しいサメですが、歯が鋭利なのでじゃれついて噛まれたらちょっと痛いかもしれません。
(出典:おもしろ生物図鑑)
4. 見た目がちょっとグロテスク…丸い拳のような歯
ネコザメに代表される歯です。
蓮コラが苦手な私にとってはなかなか見るに堪えない歯列です。
(Credit by:湯沢英治氏、出典:サメ・シャチ好き集まれ情報局)
ネコザメの口はちなみに(ω)という可愛い口をしています。
臼歯で硬い貝を噛み砕いて食べることから「サザエワリ」とも呼ばれます。
明らかに人に無害な口していますね。
5. 大きな獲物に果敢に挑む!肉をキレイにえぐり取る歯
こんなことをするサメは今のところ1種類しかいません。
そう、ダルマザメです。
(出典:カラパイア)
この歯で獲物に噛みつき、獲物の暴れる力を利用して体を回転させ、肉を丸くえぐり取るのがダルマザメの手法です。
ダルマザメに噛まれると、跡がのこります。それにより、魚の味の質が落ちたりするので漁師にとっては悩みのタネです。
6. 古代から生きるサメのとても珍しい歯
こちらもひと目見たらすぐ分かる特徴的な歯です。
「生きている化石」とも呼ばれる希少種のラブカは、1つの歯が三つ又に分かれています。
古代から生きているサメなのですが、歯だけ未知の進化を遂げていてもはやよくわかりません。
というかラブカ自体の生態が謎に包まれているので、三つ又の歯にも意味があるのだと思います。
この鋭い歯で自分より大きな深海魚やイカやタコなどを捕食します。
(出典:Wikipedia)
(出典:サメMANIAX)
7. 大きな体に米粒くらいの歯
最後に紹介するのはジンベエザメやウバザメなどに代表される歯です。
ジンベエザメやウバザメは、ご存知の通り、プラントンを主食とするサメです。
大きな口をあけて水を吸い込む形でプランクトンを捕食します。
そのため「歯を使う」ことがほぼなく、プランクトン食に合わせて歯も小さくなったのです。
(出典:オーストラリアでトロール漁船が、偶然6.3メートルのウバザメを捕獲!)
(出典:Plans for Scottish windfarm withdrawn)
ウバザメは自分の体高よりも口が大きく開くのですが、この顔のまま泳ぐから動画で見るとあまりにマヌケで笑ってしまいます。
動画も見てみてくだい。ちょっとマヌケな顔にとても癒やされます。
まとめ
サメの歯って、こんなにも形や種類があるんですね!
今まで「ギザギザの歯はホホジロザメ」と認識していたのですが、他にもオオメジロザメやイタチザメなど、ちょっと形は違えど役割は同じ歯があることを知りました。
またまとめていてお分かりになったかもしれませんが、サメの食べる餌や食べる方法によっても歯の形が全く変わってきますね。
とにかく噛み付くタイプ、すりつぶすタイプ、えぐり取るタイプ…。
まだまだ沢山の歯の種類がありそうです。
サメの種類は現在確認されている時点で500種類以上あります。
つまりそれだけ摂餌の方法も異なり、歯の種類も変わってくるということです。
次回は、サメの歯の役割と餌の食べ方をご紹介します。
サメによって上顎の歯と下顎の歯が、別の役割を持っていたりするそうなのでお楽しみに!
CHAO♡