
多種多様なサメの歯について解説 〜中編〜サメの歯の役割と餌の食べ方ってこんなにあるの!?
こんにちは。
歯が全部ぼろぼろ抜けるよく夢を見て、気持ち悪くなって起きます。ひとみんです。
夢占いによれば、歯が全部抜ける夢は自分の周りの環境が一変するという意味らしいです。
当たったことないんですがね。
起きると、口の中にジャリジャリした感触が残っていて本当に気持ち悪いです。
さて、前回の記事ではサメの歯の種類についてまとめました。
今回の記事では、サメの歯の役割と摂餌の方法を紹介します。
それでは前置きが長くなってもアレなので、どんどんいきますね!
3つのタイプに分かれる歯の役割
動物の摂餌の方法により、歯の形も適応したものに進化してますよね。
ライオンやクマなどの肉食動物は、肉を噛み切りやすいように鋭く尖った歯を持っています。
それに比べ、ゾウやシマウマなどの草食動物は、草をすりつぶしやすいように平たい歯を持っています。
人間は雑食なのであらゆる食物に対応できる歯列を持っていますよね。
サメの歯も同様に、種類によって役割が変化してきます。
また、歯の役割が上顎と下顎によっても異なります。
役割は、大体ですが「押さえる」「刺す」「切る」の3つに分けることができます。
一部例外として、ジンベエザメやウバザメなど飲み込んで摂餌するタイプや、上記の役割に振り分けることができないサメもいますので、そこは割愛しますね!
タイプ1:押さえる
典型的な例を挙げると、ネコザメ、トラフザメの歯がそれにあたります。
ネコザメの歯は臼歯の集まりのようで、トラフザメは小さなトゲトゲした歯の集まりでしたよね。(詳細は前回の記事で)
▶順番にネコザメの歯列、トラフザメの歯列(出典:海洋工房、サメ・シャチ好き集まれ情報局)
タイプ2:刺す
アオザメの歯に見られる特徴です。
細長くてギザギザの鋸歯(きんし)がなく、クギのようです。
東京湾にいると話題の、ゴブリンシャークの異名を持つ深海サメ、ミツクリザメの両顎にもこの歯が生えています。
(出典:Online Tribal Accessory Shop)
タイプ3:切る
オオメジロザメ、イタチザメなどの獰猛なサメによく見られます。
薄く平べったい、三角形の歯の縁がギザギザしてノコギリの役割を果たすものですね。
▶順番に、オオメジロザメの上顎の歯、イタチザメの歯(出典:双方ともOnline Tribal Accessory Shopより)
この「切る」歯は古生代のサメには見られるものではなく、
中生代に入ってサメの形が現在のサメに似るようになってから現れたそうなのです。
「押さえる」、「刺す」から「切る」というタイプが新しくできたそうなのです。
古生代のサメヒポーダス(出典:Geocities)
餌の食べ方
サメの歯は大きく3つのタイプに分けられるということが分かりました。
しかし、上顎と下顎の歯で役割が異なる場合、どのような食べ方をするのか気になりませんか?
まずは一覧表で、サメの種類と上顎、下顎の歯が持つ役割を見てみましょう。
代表されるサメ | 上顎 | 下顎 | |
カグラザメ目 | 代表:ダルマザメ | 押さえる | 切る |
ツノザメ目 | 代表:アブラツノザメ | 刺す | 切る |
ネコザメ目 | 代表:ネコザメ | 押さえる | 押さえる |
ネズミザメ目の一部 | 代表:アオザメ | 刺す | 刺す |
メジロザメ目の一部 | 代表:オオメジロザメ | 切る | 刺す |
ここではざっと一覧表にしましたが、なにせサメは500種類もいるので全てをまとめきるのは少しむずかしいです。
しかし、大体はこの一覧表のようであることをご認識ください。
「押さえる」歯は、ネコザメのように硬い貝をバリバリと噛み砕くためにあのような形になったようです。
「刺す」歯は、アオザメのようにヌメヌメした魚を高速で獲っても離さないように、鋭いクギのような形になりました。
では「切る」歯の場合はどうなるに餌を食べるのでしょうか。
「切る」歯を持つサメの餌の食べ方
一覧表から「切る」歯を持つのは、カグラザメ目、アブラツノザメ目、メジロザメ目があることがわかります。
しかし、よく見ると上顎に「切る歯」がある場合と下顎にある場合でも餌の食べ方は異なりそうですね。
1. 上顎にある場合
オオメジロザメのような獰猛なサメは上顎に「切る」歯を持ちます。
このようなサメの特徴としては、大きな獲物に噛み付き歯を食い込ませ、ナイフを振り回しているようにして頭を振って肉片を噛みちぎる、というものがあります。
下顎の歯は「刺す」、そして頭を振って上顎の歯で骨や肉を切断していきます。
想像するだけでなんて獰猛…
私がサメに食べられるとしたら、今わの際にこんなことを回顧するんだろうなー
2. 下顎にある場合
ダルマザメやアブラツノザメに代表される、カグラザメ目やツノザメ目の場合は、下顎に「切る」歯が存在しています。
この場合はどのように餌を食べるのでしょうか。
上顎が「押さえる」「刺す」役割の場合、オオメジロザメのように頭を振り回してしまうと、上顎は食い込めど下顎で切るという行為ができなくなります。
そこで下顎の「切る」歯の構造はオオメジロザメとはまた少し異なるものとなりました。
(出典:WEB魚図鑑)
画像はオンデンザメの下顎です。尖った歯が密集していますね。
このように「切る」歯が隣り合って密集することで、一本の刃物の役割を果たすのです。
下顎の歯を獲物に押し付けながら体を回転させるのです。ノコギリを使うときに押し付けながら引く、あの動作のイメージです。
ダルマザメでその動作をより詳しく見てみましょう。
(出典:カラパイア)
こちらの写真は本当にわかりやすいので感謝します。
上顎の歯は全くめだちません!それに比べ下顎の歯のなんて鋭利なこと!
ダルマザメは大きな獲物を見つけると下顎を下げながら近づきます。
上顎で獲物に噛み付くのと同時に下顎の鋭利な歯が刺さります。厚い唇と舌で、獲物が暴れてもひっついていられるようになっています。
獲物が暴れることによって起こる海流を利用し、ぎりぎりと歯を食い込ませ、体をヒョイと回転させます。
半回転もするとえぐり取られた肉片をゲットできます。
獲物には、まるでスプーンで丸くえぐり取ったような丸い傷が残ってしまいます。
このように下顎に「切る」歯がある場合は上顎の役割はほとんどないようなものですね。
そして、ダルマザメは狩りの仕方が上手!
まとめ
いかがでしたか?
サメの歯の役割や餌の食べ方については、私の愛読書、仲谷一宏さんの『SHARKS サメー海の王者たちー』にもっと詳しく書かれています!
この本はサメの種類や生態はもちろん、ヒレの種類や内蔵の構造など体の細かい部分まで書かれている奇跡のような本です!
寝る前に読んでいるのですが、残念ながら、とても悲しいことに、私の夢にはいまだサメが出現したことがありません。
ところで、全くサメと関係ないのですが、今回の記事は夢ネタに始まり夢ネタに終わるというキレイなまとめ方になったので嬉しいです。
さて次回はサメの歯の生え変わりについてです!
まだまだ続きますので、今しばらくお付き合いいただけると嬉しいです。
それではCHAO♡